乳香の使い方
この記事では、「乳香」というお香の焚き方についてご紹介いたします。
1. 用意するもの
1. 乳香:樹脂状のものでも、練られたものでもOKですが、今回はTROITSAで取り扱っている、正教会では定番のギリシャ・アトス山の修道院で作られた乳香を使用します。
2. 香炉や陶器の小皿
3. アルミホイル、お弁当用のアルミカップ
4. 火:写真ではマッチとキャンドルですが、炭に火をつけられるのであれば何でもOK。
5. 炭:お焼香用の炭や専用の炭。乳香を焚べるのに必要です。
6. チャコールグラバーまたはピンセット:熱した炭を掴むのに必要です。
必要なものを少し詳しく解説します。
まず、乳香を焚く香炉ですが、専用のものがなくても、耐熱性の小皿などが使えます。
もちろん、専用の香炉のほうが雰囲気作りにはぴったりなので、ひとつ持っていると良いに越したことはないと思いますが、気軽に焚くには小皿で十分。写真の小皿は、100円ショップセリアで購入したもの。
また、アルミホイルは香炉や小皿の上に乗せて使います。アルミホイルなしでも十分使用できますが、何よりお片付けが楽ちんなので、香炉のサイズにあったアルミホイルを事前に準備しておくのがおすすめです。一般的なアルミホイルを香炉にあわせて切って使用してもいいと思いますが、個人的にはお弁当用のアルミカップの底部分を使うのがサイズ感もぴったりで使いやすいです。
乳香を焚くのに必要になってくるのが「炭」。実は、炭を使わず焚く方法もあるのですが、特別なアイテムが必要となってくるので、ここでは炭を使った焚き方を紹介します。
乳香の火種となる炭は、身近なものでいうと、お焼香用の炭(焼香炭)が使えます。Amazonで10個入り300円〜500円くらいで買えます。焼香炭は少し火をつければあっという間に全体に火が回ってくれるので使いやすいといえます。
とはいえ、炭によって乳香の香りに多少の変化があるのも事実で、個人的にはロシアやギリシャで使われている、丸い専用の炭を使用していただくのをおすすめしております。
チャコールグラバーやピンセットは、炭を掴んで熱したり、香炉に移動させる際に必要です。ショップでは、ギリシャから輸入したアンティーク風のチャコールグラバーを取り扱っております。乳香を焚くそのプロセスで必要な所作、ひとつひとつに癒されますよ。
2. 乳香の焚き方
1) まずは、火種となる炭に火をつけます。チャコールグラバーやピンセットで炭片を掴み、炭片を火に当ててください。このときの火は、キャンドルの火に当ててもいいですし、ライターやチャッカマン、ガスコンロの火で付けても大丈夫です。安全でやりやすい方法で火をつけてください。絶対に注意して欲しいのが、チャコールグラバーやピンセットに火が当たらないようにすること。持ち手まで熱くなって火傷します。必ず、炭本体が火に当たるようにしてください。また、炭を火で温める際、火花が飛ぶことがあるので、周りに燃えやすいものは置かないようにしましょう。
炭全体が白く温かくなったら準備OK。専用の炭を使う場合、少し火が回るのに時間がかかります。私はなんとなく表面が白くなった状態で使ってしまいますが、乳香が最後まで途切れず燃え尽きるまで使用するためには、炭にしっかり火を回す必要があります。焼香炭を使う場合は、そこまで気にしなくても、炭全体に速やかに火が回ると思います。
2) 乳香を一片、温まった炭の上に焚べます。
※香りにも好みがあると思います。最初はごく小さい欠片で試してみてくください。
炭にしっかり火が回っていると、上にのせた乳香がじゅくじゅくと煮立ってきます。やがて、白い煙が登ってきます。写真では見にくいですが、焼香炭で焚いた乳香に細い煙が一筋のびています。煙と共に、香りが広がっていきます。
※香炉や小皿が熱くなることがあるので触るときは注意!
丸い専用の炭で焚いた場合。本当は、炭全体が白くなるまで待たなくてはいけないのですが、せっかちなので、この状態で放置。(この写真は、しっかり焚いた場合の写真と差し替えるかもしれません。)
燃焼時間は、乳香の欠片の大きさによっても異なりますが、30分から1時間ほど。近々、燃焼時間をしっかり測ってみたいと思います。
こうして乳香を焚くと、部屋中が教会の香りになります。
乳香を焚いて、香りで癒されつつ、静かなお祈りの時間にしてもいいかもしれません。
乳香を焚いている様子のショート動画もありますので、ぜひインスタグラムもご覧ください。
3. お片付けの仕方
乳香や炭の燃えかすは、そのままアルミホイルに包んで捨ててください。
但し、炭の火が消えているかどうか必ず確認してください。
炭が完全に燃え尽きるのを確認するか、水をかけて鎮火してください。焼香炭の場合、燃焼時間は60分程度のものが多いので、念のために長めに放置し、火種が残っていないことを確認してから捨てるのがいいでしょう。
水をかけて鎮火した場合、残った炭が勿体ないようでしたら、よく乾かせば再利用できることもあります。
4. 最後に注意
何よりも声を大にして言いたいのが、火の用心!炭に火をつける時も、火がついた炭で乳香を焚いている間も、常に火の扱いに注意してください。日本は地震大国、かつ冬は空気が乾燥しています。火がついた香炉を放置して、思わぬ火事に繋がらぬよう、気をつけてください。また、お子様やペットのいるご家庭では、誤飲などしないよう、保管場所にはお気をつけください。
そして、乳香には、ほとんどアロマやお香がそうであるよう、エッセンシャルオイルが含まれています。特に、狭い部屋で乳香を焚く場合、猫ちゃんや小鳥のいるお部屋では、使用を控えた方がいいかもしれません。
また、当店の乳香を使って起こりうる事故等には責任は負えませんので、何卒ご了承くださいませ。
この記事で乳香に興味を持っていただけましたら、ぜひ、ショップの方も覗いてみてくださいね。