パスハのクリーチ、卵染め【忘備録】
主の復活祭おめでとうございます!
Христос Воскресе!!
今日の記事は、パスハのクリーチに関する反省を兼ねた、忘備録です。
復活祭といえば、卵染め・イースターエッグですが、その他にもイースターブレッドといって、各国・地域で特色のある特別な甘いパンを焼くことが多いです。ロシア正教圏では、「クリーチ」と呼ばれる円筒状の甘いパンを焼きます。このパン(ケーキ?)と卵を教会に持ち込んで、復活祭当日に成聖してもらいます。ロシアでは前日の土曜の午後に成聖することが多かった気がします。
さて、このクリーチ、ロシアではパン屋さんやケーキ屋さんで購入していましたが、日本ではそうもいかないのと、コロナ禍で教会で作ったものを分けてもらうというのも難しい時代なので、二年前から自分で作っています!今回が3度目。お菓子作りは素人。
1回目は人に見せられないレベル、去年の2度めは見た目は可愛く行ったけど、ぱっさぱさで食べきるのがお仕事に(笑)。今年こそは美味しいの作りたい!ということで、教会でお世話になってる大ベテランさんにレシピを聞いて挑戦しました。私の中ではかなり上手く行ったほうですが、改善点もあると思うので、とりあえず忘備録として書いておきます。毎年上手く行かない卵染めも、今年はまだましなレベルだったので、こちらについてにメモしてます。
クリーチの作り方
参考にしたレシピは、こちらです!(ロシア語)
出来上がる量
大きいクリーチと小さなクリーチが全部で10個できる計算です。
・直径9cm、高さ10cmのカップ3つ
・直径5.5cm、高さ5cmのマフィンカップ7つ
※動画のレシピの1+1/4の量で作りました。
材料
1/4量は、試しに作ってみる際に丁度いい量でした。マフィンカップ3つくらいの量だった気がします。1と書いてあるのは、参考にした上の動画のレシピの量です。
生地の材料 | 今回の量 | 1 | 1/4 |
強力粉 | 625 g | 500 g | 125 g |
温めた牛乳 | 156 ml | 125 ml | 31 ml |
砂糖 | 156 g | 125 g | 31 g |
バター | 237 g | 190 g | 47 g |
メレンゲ(卵) | 237 g (5) | 190 g (4) | 47 g (1) |
ドライイースト | 10 g | 8 g | 2 g |
塩 | 3.1 g | 2.5 g | 0.6 g |
バニラエッセンス | 数滴 | 数滴 | 数滴 |
ドライフルーツ※ | 80 g | 100 g | 25 g |
クルミ※ | 45 g | - | - |
シロップの材料 | 今回の量 | 1 | 1/4 |
砂糖 | 大さじ5 | 大さじ4 | 大さじ1 |
熱湯 | 大さじ8 | 大さじ6 | 大さじ2 |
リキュール(お菓子作り用のラム酒) | 大さじ2.5 | 大さじ2 | 大さじ0.5 |
アイシング※ | 今回の量(2) | 1 |
マシュマロ(3g) | 14個 | 7個 |
熱湯 | 大さじ2 | 大さじ1 |
粉砂糖 | 140 g | 70 g |
レモン汁 | 小さじ2 | 小さじ1 |
※アイシングのレシピは、レシピを伺ったベテランさんを参考にしたもの。量が良くわからなず、とりあえず1の分量で作って足りなかったので、1の分量をさらにもう一度作り直しました。
生地の作り方
1.ボウルに卵を入れ、かき混ぜてメレンゲを作る。
よく混ぜた卵がメレンゲ状になったら、そのうちの規定量だけ取り分け、残りは捨てる。
私の場合は、メレンゲ状になるまで混ぜるのが面倒くさかったので、泡立て器でそこそこ黄身と白身の境界がわからなくなるまで混ぜました。また、白身をイースターエッグ用に取っておきたかったので、卵5つのうち1つは黄身と白身に分け、黄身だけをボウルに入れて混ぜました。別容器に移し、計ったら、規定量に足りなかったので、別途移した白身のうち少しだけ、生地用に戻して規定量準備しました。
2.規定量計った卵液(メレンゲ)に砂糖、温めた牛乳、塩、バニラエッセンスを加えてよく混ぜる。
動画のレシピはバニラパウダーでしたが、良く分からなかったのでバニラエッセンスで代用しました。牛乳の温かさは、このあとドライイーストが効果的に働くために必要みたいなので、熱めでいいと思います。
3.別の大きめのボウルの中で、強力粉を一度ふるいにかけ、その中にドライイーストを加えかるく混ぜる。
動画のレシピでは「小麦粉」と書いてあったので、お菓子作り素人の私は薄力粉か強力粉か分からず、薄力粉を買ってきて試作段階でクッキーのようなショートブレッド的な何かを生成しました。また、ドライイーストも間違ってベーキングパウダーを買ってきて使ったのも間違いでした。めっちゃ笑った。
4.強力粉とドライイーストが混ざったボウルに、2を加えて手でよく混ぜる。
5.全体的に混ざったら、バターを電子レンジに入れて、指ですくえるくらいの硬さに溶かす。柔らかいバターを生地に少しづつ加えながら、生地をまとめる。
最初はかなり手にぺたぺたくっついて大変ですが、生地をこねていくうちに、だんだんと生地自体に弾力が生まれ、まとまっていきます。生地をこねる工程で30分くらいかかった気がします。量が多いと、力がいるので結構大変。
6.清潔なテーブルの上に生地を出し、生地が完全にまとまるまでこね続ける。
バターを加え終わって、生地になんとなく弾力が付き始めたら、清潔なテーブルの上に生地を出し、伸ばしては叩きくように本格的に生地をこねていきます。まな板のようなところでこの工程を行うと、弾力のある生地にまな板ごと持っていかれるので、テーブル推奨。打ち粉は駄目。生地がまとまり、テーブルや手にくっつかなくなるまでやるのが目安です。
7.ドライフルーツなどをまぜる。
生地がまとまったら、適度な大きさに刻んだドライフルーツやクルミを混ぜます。丸くまとめた生地を丸くつぶして、その上にドライフルーツをおき、肉まんのように包む工程を繰り返すときれいに混ざります。ドライフルーツやナッツの量はお好みで。今回出来上がった際は、上の量だとクルミの歯ごたえがあまり感じられなかったので、もっと入れていいかもしれない。
8.ボウルにサラダ油を塗り、中にふんわりと丸くまとめた生地を置き、1時間半ねかせる。
量が多目だったので、2つに分けて生地を寝かせました。ボウルの上にはサランラップをかけ、爪楊枝で小さな穴をいくつかあけて、1時間半様子を見ます。1.5〜2倍に膨らむはず。
9.膨らんだ生地を取り分け、カップの半分くらいの量にまるめて入れ、さらに1時間半ねかせる。
10.180度に予熱したオーブンで25分焼く。
焦げました!!試作したときは、オーブンの上段に乗せて焼き、25分で焦げ焦げになりました。そのため、本番では下の段に起き20分焼いたのですがやはり焦げました。大きい方の生地にほんの少し生焼け箇所が……。動画では180度で40分と書いてあったのですが、予熱せずに40分かな?来年作るときは要チェック。生地の上部はアイシングで飾り付けするので、焦げはナイフでそぎ落とせば問題ないです。
11.焼けたら網の上で15分冷まし、その後、柔らかいクッションの上で生地を横に倒し、ときどき転がしながら、完全に冷めるのを待つ。
この工程はやりませんでした!小さいマフィンサイズならやる必要ないかな?
シロップの作り方
木曜日に焼いたケーキが復活祭の日曜日以降食べると、ものっすごくパサパサになってしまう原因の一つに、シロップをかけなかった点にありました。たとえば、復活祭前日に焼くのならそこまで乾燥しないかもしれませんが、基本的に卵もケーキも、聖大金曜までに準備するのがいいらしいので、今回はシロップを作って、ふわふわ感の続くクリーチに挑戦します。
1.砂糖、熱湯、リキュールを合わせシロップを作る。
2.完全に冷めた生地にシロップをかける。
私の場合は、紙製のカップをそっと外して裸にした後、スプーンでシロップを全体にかけて、アイシングの邪魔にならないよう、底のほうを中心にラップでくるみました。大きい方は、上部に箸で5mmくらいの穴を開けて、シリンダーで注入しました。ふわふわなので、掴むと凹むので優しく。
ちなみに、1つ目のマフィンサイズのクリーチをシロップの容器にそのまま沈めてみたのですが、ものすごくシロップを吸い、食べる頃には「フレンチトーストの柔らかい部分ラム酒味」になっていました!柔らかいのでシロップをたくさん吸ってしまいます。スプーンで優しくかけるのを推奨。
アイシングの作り方
1.耐熱容器にマシュマロと熱湯大さじ1を入れ、電子レンジ800Wで10~20秒温めたあと、冷めないうちにマシュマロがクリーム状になるよう練るようにかき混ぜる。
2.1に粉砂糖を入れ、同様に練るようにかき混ぜる。ゆるすぎるようなら粉砂糖を足して調節する。
3.最後にレモン汁を加え、混ぜてアイシング完成。
4.シロップを掛けた生地の上にスプーンで適量アイシングを伸ばし、お好みで飾り付けして完成!
アイシングはゆるすぎると生地に載せたときにたれてきてしまうので、固めに作ったほうがいい。
反省
結果的に、去年より、一昨年よりずっと美味しくできたクリーチ。ただ、やはりいくつか反省点があるので挙げておきます。
- 復活祭の前の週後半がそこそこ暖かかったので、腐らないか不安で、アイシングしたクリーチを冷蔵庫に入れてしまった。アイシングに冷蔵庫は禁物らしく、パスハ当日に冷蔵庫から取り出したら、結露してしまいアイシングがどろどろに(泣)。もともと、大きい方のクリーチは、アイシング自体が緩めだったので見た目が悪くなってしまった。出かける前にドライヤーの冷風モードで乾かしました。次は、アイシングは固めに作る。風通しの良い暗所で保管。気温が高そうなら、木曜日に生地+シロップだけ終わらせて冷蔵庫保管、土曜日にアイシングをしてもいいかもしれない。
- デコレーションのピンクのアイシングの量が足りなかった。市販で買った、水色のパッケージの3色入ったお湯だけで作れるアイシングキットを買ったのだけど、量が少なすぎて「XB」の文字が小さくなってしまった。
- 焦げた。焦げは最悪削げばいいけど、やっぱり理想的な状態で焼き上げたい。約時間、温度を工夫。
- 中身のクルミを小さく砕きすぎたのが、あまり歯ごたえを感じられなかった。このへんは完全に好みの問題だけど、次回はクルミ多めでいきたい。
- シロップを塗る工程で、ふわふわの生地を鷲掴みにして凹み、完成した形が歪になった。
- 作ってしばらく机に放置してたら、ひとつ犬に食われた(泣)。
卵染め覚書
卵は毎年、天然の素材で染めようと挑戦しているのですが、今回は「ビーツの果汁」で染めることにしました。
本当は玉ねぎの皮で染めたかったのだけど、玉葱の皮を集め始めたのが4月に入ってからで、十分卵を染めるだけの皮が集まりませんでした。なんだか玉ねぎで染めたゆで卵って、美味しそうで……。次回は大斎スタートとともに貯めたい。
さて、これまで、紫キャベツ、ハイビスカスティー、ビーツと挑戦してきたのですが、上手く染まった試しがありません。どれも、卵が浸かるくらいの少量の水を入れたお鍋に色のつく材料と酢をいれて、卵と一緒に煮たり放置したりしました。薄っすら染まることはあっても、膜が貼ってるだけで擦ると色が剥げちゃったり、何時間煮込んでも一向に色が定着しなかったりと簡単には行かない(泣)。
今回はもっとシンプルな方法でいこうと、ビーツをそのまま使うことにしました。最近は、近くのスーパーでもビーツが手に入りやすくなったので有り難い。
1.ビーツを小さめに切って、ミキサーに水(コップ一杯ぐらい?)と一緒に入れて回す。
2.スムージー状になったビーツを、ガーゼで濾す。
3.濾して溜まったビーツの果汁(?)に酢を大さじ1加えよく混ぜた後、その液体に固茹で卵を10分くらい付ける。
4.卵が乾いたら、サラダ油を含ませたキッチンペーパーで優しく磨く。
これだけ!!
10分くらいで青みの強めな可愛いピンクに染まります!もっと長時間つけてたら鮮やかな色になるかもしれませんが、試してません。
私の場合は、固茹で卵を作った後、軽く押し花のようにして平たくしたお庭の葉っぱを卵に乗せ、古いストッキングで包んで固定します。このまま液につけると、乾いた後きれいに葉っぱの模様が出るので楽しいです。
また、今回は別途、押し花にしていたパンジーの花を、染め終わった乾いた卵に、卵白を溶いたものを糊代わりに貼り付けました。すぐ取れないか心配だったのですが、意外としっかりくっつきます。
卵も傷んでしまうのが心配で、卵染めしたあとは冷蔵庫にしまっていたのですが、取り出す際結露して色が剥げました。実は、サラダ油で表面を磨く工程を忘れていたので、そのせいで結露したとき色がいつもより剥がれやすくなってしまったのだと思います。サラダ油コーティングしていれば、そこまで結露しても剥げないのでは?ゆで卵は、殻付きなら常温(25度)でも1週間ぐらいは大丈夫らしいので、常温保管できればベスト。ただ、やっぱり温かい日が続くと不安です……。
ということで、パスハのケーキであるクリーチ、卵染めについての防備録でした!
私の来年のパスハの参考にします!
よければ、オーナーの運営するショップも覗いていってくださると嬉しいです!