第2回「祈りと罪」【神の法:第1部】

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第2回目はセラフィム・スボロツコィ『神の法』の第1部より「祈りと罪」の概念について翻訳いたします。

第1部目次

セラフィム・スボロツコィ『神の法』の第1部の目次は以下の通りの予定です。

 

第1回:「神さまについて〜三位一体と神の性質〜」

第2回:「祈りと罪」

第3回:「十字をきる〜十字の切り方やお辞儀の意味〜」

第4回:「いつどこでお祈りすればいいの?」

第5回:「聖堂と神父による祝福」

第6回:「イコンについて」

第7回:「天使や聖人について」

 

第1回は下のリンクよりご覧になれます。

troitsa.hateblo.jp

 

祈りについて

神はご自身がお作りになったものである、私たちひとりひとりを愛しておられます。

父となり、あなたがたはわたしの息子、娘となる。全能の主はこう仰せられる。(コリント2.6:18 新共同訳)

我なんじらの父となり、なんじら我の子女とならん、主全能者これを言う。(正教会訳)

このように、いつだって、どんなときだって、実の父や母にそうするように、私たちの天の父、神に話しかけていいのです。神に話しかけること、それが祈りです。

つまり、祈りとは神との対話なのです。

祈りは私たちにとって空気や食糧と同じくらい不可欠です。なぜなら、命や能力、健康や食糧、全て神から与えられたもので、何一つとして自分で自由にコントロールできないからです。ロシアの諺で「神なしで戸口にさえ辿り着けない」と言ったりもしますよね。

だからこそ、嬉しいとき、悲しいとき、必要なものがあるとき、神に祈りとともに話しかけてみましょう。主は優しく慈悲深いので、純粋な心で信を持ち熱心にお願いすれば、きっと私たちの願いを叶え、必要なものを与えてくださいます。また、このとき神の意思に完全に身をまかせ、辛抱強く待つ必要があります。なぜなら、ただ神お一人がいつ私たちに必要なものを与えるべきかご存知だからです。

神に怠惰に祈ってはなりません。そのような人たちは神から離れ、そしてまた神も遠ざかってしまいます。

また、祈ることをやめると、同時に人は神を愛することをやめてしまいます。神を忘れ、地上での自分の役割をこなさなくなります。つまり、罪を犯してしまうのです。

 

罪について

罪を犯すことや悪事を働くことは、神の法に反しています。無法状態(文字通り法のない世界)にあったり、罪を犯すことは、神の意志に反することなのです。

どうして人は罪を犯すようになったのでしょう?一体誰が一番初めに罪を犯してしまったのでしょう?

さて、目に見える世界や人を創造する前、神は天使という存在を作りました。天使とは、体を持たない精霊で、目に見えず、死ぬことはありません。全ての天使が良い者として創造され、神は彼らに完全なる自由を与えていました。つまり、天使たちのほうから神を愛するのかどうか、神とともに暮らすことを望むのかどうか、意思決定はそれぞれの天使にありました。

ある時、一際高潔で力のある天使のうち一人が、神を愛し、神の意志に従うことをやめ、自らが神のようになりたいと望みました。その天使は神の言葉に耳を傾けるのをやめると、あらゆる点において神に反発するようになりました。そして、ついには神の敵となってしまいます。彼は他の天使たちも惹きつけ、味方につけました。

こうした神への謀反により、これらの天使たちは神より与えられていた光、至福や喜びを失い、悪い闇の精霊となりました。

こういった悪い闇の精霊たちは、その後悪霊や悪魔と呼ばれる存在になります。中でも主要な悪魔は、元は光に満ちた天使で、サタンと呼ばれる神の敵です。

悪魔は人々に神に従わない道、罪を犯すことを教えました。悪魔は持ち前のずる賢さと欺瞞によって、最初に神に作られた人間、アダムとエヴァを誘惑し、神の意志に背かせました。

罪を犯してしまったアダムとエヴァより生まれた私たちはみんな、罪のある状態で生まれます。世代を越えるごとに、罪を犯すこと事態が人々を虜とし、従属させます。程度はあれど、全ての人が罪深いのです。

罪というのは人を神から遠ざけ、苦難や病、永遠の死に人々を導きました。こうして私たち人間はいずれは苦しんで死ぬ存在になったのです。私たち人間は、もう自分の力だけでは世界に満ちた悪に打ち勝つことはできず、死を克服することはできないのです。

しかし神は、その慈悲深さから、自らの息子で我らの救世主イイスス・ハリストスを地上に送ってくださり、救いの手を差し伸べられました。

 

(翻訳終わり)

 

「罪」に関する項を読んで、捻くれた私がまず思ったのは、人間に原罪がありエデンの園を追われ死すべき存在になったのは分かるのですが、動物たちはどうなのでしょう。動物たちだって死に際は病気になって苦しむ。どうして、罪のないはずの動物たちが苦しんで死ぬのでしょう?イエス様は、動物たちの魂も救ってくださるのでしょうか?

良い記事を見つけました↓

azbyka.ru

愛するペットの魂は、人と一緒にちゃんと天国へ行けるのか?わたしと同様に気になっている人も多いと思うので、いつか訳したいと思います。

 

今回の翻訳箇所です。

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今回は、体調を崩してしまい、先週の金曜日に更新できませんでした。

今後も金曜日18:00に更新を目指していきますが、1分先のことも分からない私たちですもの。また更新予定が狂ってしまった日には、どうぞお許しください。

 

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